遠方にある実家の遺品整理は、遺品整理業者に一括して依頼し、当日立ち会うだけということが一般的です。こうした整理業者は不要品の処分を含め、家を空にしてくれるので大変便利ですが、骨董品や美術品などの価値のありそうなものが出てきたときに安い買取になったり、廃棄されてしまうというデメリットもありますので注意が必要です。本コラムでは、遺品整理と遺品買取で得する方法についてご紹介いたします。
目次
高齢者単独世帯が増え、見守りや遺品整理が子どもの負担に
社会の高齢化が急速に進む日本では全世帯の半数以上が65歳以上の高齢者のいる世帯になりました。しかも、高齢者の単独世帯と夫婦のみの世帯が全体の64%を占めています。子や孫の世代が一緒に暮らす3世代世帯は7%に過ぎません。約30年前の1990年は3世代世帯が全体の約40%を占め最大であり、高齢者の単身または夫婦のみ世帯は31%にとどまっていたのです(以上、内閣府「令和6年版高齢社会白書」)。高齢者だけが住む家が半数を超えることで、高齢者の見守りをどうするかということが大きな社会問題になると同時に、空き家や遺品整理にかかる手間が大きな問題になっています。
本人にしか価値が分からないものは、なかなか処分できない。それらがある日、遺品となる
仮に昔のように3世代で暮らしていれば、日頃から「こんなものがあるが使うか?」と親世帯が自分のものを子世帯に託したり、子世帯が「これもう使わないなら処分したら?」と整理を促したりということが日常的にありました。しかし核家族化が進む今、日頃の交流も薄くなり、親世帯が住む実家には要らないものも山積みになっているケースが少なくありません。いつ手に入れたのか、どこが気に入って手元に置いているのかなどといった事情も不明で、これらがある日、遺品となったときに子世帯は処分に苦労することになります。
遺品整理を業者にすべて任せれば簡単ですが、注意したいこともあります
遺品整理は急がなければならないケースが少なくありません。同居している家族がいればそのまま住み継ぐので急いで遺品を整理する必要もありませんが、住んでいた家を売却したり解体したりする場合が多いので、いつまでに明け渡す、と期限が切られてしまいます。子世帯は遠方の都市部で生活をしていることが多く、頻繁に往復することはできません。遺品整理業者に一括して依頼し、当日立ち会うだけということが一般的です。こうした整理業者は不要品の引き取りを含め、家を空にしてくれるので大変便利ですが、骨董品や美術品などの価値のありそうなものが出てきたときに適正な査定ができず安い買取になってしまったり、廃棄されてしまうというデメリットもありますので注意が必要です。
特に価値のありそうな遺品は、専門家の目で見てもらうことが大切です
遺品整理業者の費用は、基本的には家の広さと片付ける荷物の量で決まります。4LDK程度広さの場合大体40万円以上のお金がかかります。確かにこういったプロの整理業者に依頼すれば、時間も労力も節約でき、重い荷物を扱ってケガをするという心配もせずにすみます。ただし、和室の天袋や地袋から木箱に入った陶磁器や掛け軸、丁寧に包まれた絵画などが出てくることは少なくありません。こうしたものは骨董品や美術品の買取専門店に査定を依頼することをお奨めします。遺品の整理業者にこれらの品物の価値を見極める専門知識は期待できないからです。
遺品整理の現場に出張して骨董品・美術品を買取してくれる専門店も
骨董品や美術品などは買取専門店に査定してもらえば、万が一にも価値のあるものを見過ごしてしまうことがなくなり安心です。かなり古く、汚れや退色もあるから値打ちがないと決めつけて不要品扱いにするのは早計。目利きが見れば、古いけれども希少価値が高いとか、後に高名となった作家の初期の習作だから、その作家のコレクターの間では価値が高いなど、専門家ならではの評価ができます。また、こちらから専門店へ持ち込むのは手間もかかり、何を見てもらうかは判断に迷うところですが、遺品整理の現場に出張して査定してくれる買取専門店なら、可能性のありそうなものはすべて査定してもらうことができます。
遺品整理と遺品買取をまとめて行えば整理費用を軽くできるメリットも
古美術永澤はベテランの目利きが遺品整理の現場に出張して骨董品や美術品の買取をしています。真贋の鑑定はもちろん、市場の動向を幅広く掴んでいることから査定も適正です。さらに、遺品整理の現場に慣れているので、価値のあるものを見逃しません。また、遺品買取と遺品整理をまとめて相談することができるので、別々に手配する手間がかからず便利です。家1軒まるごとの整理・処分は費用もかさみます。まずは骨董品や美術品の買取があれば、そのお金で整理費用の負担を軽くすることができるので、価値のありそうな気になる品が出てきたらぜひご相談ください。
まずはLINE査定が便利です。スマートフォンで品物を撮影してLINEにて画像を送るとおおよその査定金額をお知らせします。
担当
骨董買取コラム編集室
骨董目利き修行者
将来、古美術商になるため古美術永澤で修行中。愛読書は廣田不孤斎の歩いた道。