床の間があれば掛け軸があります。特に親世代が古美術に関心があったわけではなくても、日本の家に馴染み深い掛け軸は長く安定した需要があり、戦後間もなく大きく市場が拡がった歴史があります。このコラムでは、掛け軸の買取をご検討の方へ、値がつく掛け軸の特長をご紹介します。
床の間があれば掛け軸がある
実家整理をしていたら掛け軸がたくさん見つかった、ということがよくあります。特に親世代が古美術に関心があったわけではなくても、床の間があれば掛け軸は必需品です。まして書や日本画などを愛好し、茶の湯も嗜んでいたという親や祖父母がいた家柄なら、掛け軸をたくさんお持ちではないかと思います。古くてとても価値がありそうにないと感じられるかもしれませんが、処分する前にいちど査定に出してみることをお奨めします。
サインや落款、箱からわかることも多い
掛け軸は歴史が長いだけでなく、書や絵画などさまざまな作品があり、その価値を見極めるのは簡単ではありません。サインや落款があれば手がかりになりますが、収めている保管用の箱に手がかりがあることも少なくありません。たとえば、それが桐製の内箱と塗りの外箱の二重箱であればかなり価値の高いものである可能性があります。逆に保管用の箱がないようなものは、骨董品・美術品としての価値が認められることは難しいと思われます。
値が付く掛け軸の特長とは
掛け軸の価値は箱から推測できることが多いのですが、値が付く掛け軸の特長に次のようなものがあります。お手元に掛け軸があったら、ぜひ確かめてみてください。
①箱に和紙で所蔵・管理番号(蔵番)や文言が書いてあるもの
②デパートや老舗の書画展、古美術展で購入した履歴のあるもの
③戦前の売り立て目録にあるもの
④展覧会や美術展への貸し出し履歴があるもの
⑤鑑定書があるもの
古いものほど希少価値がある
掛け軸はもともと壁に掛けて拝むものとして中国に生まれ日本に伝わったものですが、その後、水墨画が伝わり、室町時代には風景や花鳥画などが掛け軸の本紙に用いられ、芸術作品として楽しむ傾向が強まりました。狩野派の水墨画なども掛け軸に使われています。掛け軸の歴史は長く、古い掛け軸には希少性もあります。保管状態の善し悪しはあるものの、古いものなら一度査定に出してみる価値があります。
実は贋作も多い掛け軸
掛け軸は長く安定した需要があり、戦後間もなく大きく市場が拡がった歴史があります。伝統のある美術品であると同時に、一部の作品は床の間があれば必要となる実用品にも似た役割を担ったものでもあり、市場には非常に多くの掛け軸が存在し、玉石混交の状態です。なかには有名作家の作品を模した贋作も数多く含まれているので、その鑑定は素人では難しいものになっています。
LINEやメールでの査定も可能
掛け軸の査定を依頼するときは、買取業者の経験や実績をしっかりと見極めることが必要です。古美術永澤は創業当初よりこれまでに多数の掛け軸を取り扱っており、作家不明や中国作家の査定も得意としています。古美術永澤には、リサイクルショップや他の骨董買取店で査定できなかった掛け軸もよく持ち込まれます。LINEやメールでの画像査定も行っているので気軽に依頼してみてはいかがでしょうか。