中谷泰なかたに たい

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    中谷 泰(なかたに やすし、1909(明治42)年5月20日-1993(平成5)年5月31日)は、昭和から平成時代に活躍した日本の洋画家である。本名は泰一。三重県松阪市に生まれる。


    1929年に上京。同年、川端画学校に入り石膏デッサンを始める。翌年の第8回春陽展では「街かど」を出品し初入選を果たす。その後も同会に出品を続ける。1931年には春陽会洋画研究所で学ぶ。1939年の新文展で特選となり同年、春陽会会友に推挙される。また、1942年からは木村荘八に師事した。その間も新文展への出品も行い、特選を得ている。


    戦後は春陽会に出品を引き続き行う。また、アンデバンダン展にも出品。美術評論家の水沢澄夫にすすめられ、日本美術会に入会した。その後も作品の制作を続け、1953年の第2回平和美術展に「流田」を出品。現代日本美術展にも出品をする。1959年には日本国際美術展で優秀賞を受賞する。


    作品の制作・出品を行う一方で、日本美術会役員としても活躍。1971年には東京藝術大学美術学部教授に任命され、後進の指導の務めた。1988年には三重県立美術館で中谷泰展が開催。1990年には民美研究所長として指導にあたった。


    洋画家として作品を残し、後進の指導も務めた中谷泰は1993年5月31日に急性腎不全のため死去した。


    中谷の作品は、はじめは家族や静物をモチーフとした画風であった。1953年頃を境に労働者とその生活を主題とした、社会的な意識の強い作品を描くようになった。その後は社会性が退き、油彩画の堅牢な絵肌と造形性が追求されるようになった。



    年表
    1909(明治42)年 三重県松阪市に生まれる
    1929(昭和4)年 上京
              川端画学校に入る
    1930(昭和5)年 第8回春陽展に「街かど」を出品 初入選
    1931(昭和6)年 東京・内幸町の春陽会洋画研究所に研究生として入所
    1939(昭和14)年 新文展で特選
              春陽会会友に推挙
    1942(昭和17)年 第20回春陽展に「窓外風景」「婦人像」を出品 特選
                   第5回文展に「水浴」を出品 特選
    1943(昭和18)年 春陽会会員に推挙される
    1959(昭和34)年 日本国際美術展で優秀賞
    1966(昭和41)年 日本美術会総会で代表に選出
    1976(昭和51)年 いわさきちひろ記念事業団理事長に就任
    1990(平成2)年 民美研究所長として指導にあたる
    1993(平成5)年 死去

    中谷泰の代表的な作品

    • 「炭鉱町」
    • 「街かど」
    • 「風景」

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