西村龍介にしむら りゅうすけ

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    西村龍介(にしむら りゅうすけ、1920-2005年)は昭和から平成時代に活躍した日本の洋画家である。


    1920年2月8日、山口県小野田市に生まれる。本名一男。1934年に両親と死別。小野田尋常小学校を経て、1935年山口市立大殿尋常高等小学校を卒業する。卒業後の1936年に上京。1938年に日本美術学校日本画科に入学し、太田聴雨、川崎小虎、矢沢弦月らに学び、デッサンを洋画家・林武に学ぶ。1941年に日本美術学校日本画科を卒業。同時に出兵となる。特攻隊員として沖縄戦へと向かう途中に終戦を迎え、郷里山口市に復員する。同年二科展に作品を出品。以降二科展を中心に活躍をする。


    その後は市内の古刹瑠璃光寺の一室を画室兼居所として日本画を制作。1946年山口市八木百貨店で初の個展を開催。日本画18点を展示。また、この頃に三好正直らと山口市展、山口県展を創設。


    1949年には京都市市立美術専門学校研究科に入学。翌年同校を途中退学する。その後上京。生計を立てるために企業の博覧会の背景画などを描きながら、画家を志す。また、日本画は制作の準備に時間がかかるため、油彩画へ転向して龍介と名を改め、洋画家として活躍を始める。


    1954年第39回二科展に出品した「河岸」で初入選。1956年第41回二科展に「月のある風景」「鳥と植物」を出品し、特待受賞。1957年に二科会会友となる。その後も二科展に出品を続け、1959年第44回二科展に「故園」「花」を出品して二科金賞を受賞。翌年二科会会員となる。63年第48回二科展に出品した作品は同会会員努力賞を受賞する。また、1959年のサロン・ド・コンパレゾン展に招待出品している。


    1964年に渡欧しフランス、スペイン、イタリア、ベルギーを巡り、古城、聖堂、ヴェネツィア風景に魅了され、同年帰国。この旅で魅了された西村はこれらを主要モチーフとした作品を発表するようになる。
    帰国後も二科展を中心に出品。1968年第53回二科展に「古城」「館」を出品して二科会青児賞を受賞する。1969年第54回二科展に「聖堂」「遥かなる聖堂」を出品して二度目の会員努力賞を受賞。翌年再び渡欧。1971年71年第56回二科展に「古城幻影」「城」を出品し、内閣総理大臣賞受賞。1971年より1982年まで毎年渡欧をする。また、1972年に二科会委員になり、1975年には二科会委員長となる。数々の賞を受賞するなど高い評価を受ける事となり、自らの画風を確立させていく。


    その後も個展を開催し、1989年に1988年の個展に対し、「日本画と洋画の技法を巧みに融合した日本的詩情豊かな独自の油彩表現を円熟の域に高め」たとして芸術選奨文部大臣賞を受賞する。個展を開催しながらも二科展に出品を続け、1997年東京八重洲の大丸ミュージアムで「喜寿記念・西村龍介展」を開催。2000年に二科会を退会して無所属となる。


    2005年に長野県軽井沢市で急性心筋梗塞のため病院で死去。享年85。
    西村龍介の作品はヨーロッパの古城を題材に日本画と洋画を巧みに融合した点描による独自の絵画表現は高い評価を受けており、端正な描写、明快な構図、淡い色調からなる静謐な古城風景からは詩情を感じる事ができる。



    年表
    1920年 山口県で生まれる
    1934年 両親と死別
    1935年 山口私立大殿尋常高等小学校を卒業
    1936年 上京 日本美術学校に入学
    1941年 日本美術学校を卒業
        出兵となる
    1945年 復員 二科展に出品
    1946年 山口市八木百貨店で初個展を開催
    1949年 京都市立美術専門学校研究科に入学
    1950年 京都市立美術専門学校研究科を中退
    1956年 二科展で特待賞を受賞
    1958年 二科展で金賞を受賞
    1960年 二科会会員
    1963年 二科会会員努力賞を受賞
    1964年 渡欧
    1968年 東郷青児賞を受賞
    1969年 「遥かなる聖堂」が会員努力賞を受賞
    1971年 二科展で内閣総理大臣賞を受賞
    1972年 二科会委員
    1973年 個展を開催
    1975年 二科会委員長
    1989年 芸術選奨文部大臣賞を受賞
    1997年 東京八重洲の大丸ミュージアムで「喜寿記念・西村龍介展」を開催
    2000年 二科会を退会
    2005年 逝去

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