福井良之助ふくい りょうのすけ

福井　良之助（ふくい　りゅうのすけ、1923（大正12）年12月15日-1986（昭和61）年7月9日）は、昭和時代に活躍した日本の洋画家・版画家である。東京日本橋に生まれる。


1936年に聖学院中学校に入学。在学中は光風会会員であった島野重之に師事。画家を志し、卒業後は東京美術学校に入学。工芸科鋳金部で学ぶが、工芸ではなく、油絵を描き続ける。1944年に同校を卒業。


卒業後も制作を続け、1946年の第41回太平洋画会展に「みちのくの冬」を出品。初入選を果たし、一等賞を受賞する。1954年の第18回自由美術家協会展では「窓」を出品し、佳作賞を受ける。その後は無所属として活躍。1959年には日本橋画廊で孔版版画による初の個展を開催。孔版画作品で技術を確立。アメリカの画商らにもその技術を認められ、1962年にニューヨークのウエイ画廊で個展を開催。その後も国内だけでなく海外でも作品を発表し版画家として知られるようになる。


また、1965年からは油絵中心に制作を行い、国際形象展や潮音会展には油絵を出品。風景画や人物画など多く手掛け、古典的な構図とセピア色の色調を持つ独特な画風が高い評価を得た。舞妓のシリーズでは、幻想的な美しさで新境地を開く。


国内だけでなく、海外でも高い評価を福井良之助は1986年7月9日にクモ膜下出血のため神奈川県相模原市の北里大学病院で死去した。




年表
1923（大正12）年　東京で生まれる
1936（昭和11）年　聖学院中学校　入学
1944（昭和19）年　東京美術学校工芸家　卒業
1946（昭和21）年　第41回太平洋画家展で「みちのく冬」を出品　初入選・一等賞
1954（昭和29）年　第18回太平洋画家展で「窓」を出品　佳作賞受賞
1959（昭和34）年　初の個展を開く
1961（昭和36）年　第6回日本国際美術展　出品
1962（昭和37）年　ニューヨークで個展開催
　　　　　　　　　第5回現代日本美術展　出品
　　　　　　　　　東京国際版画ビエンナーレ展　出品
1963（昭和38）年　第7回日本国際美術展　出品
       　　 　　　リュブアナ国際藩場ビエンナーレ展　参加
1965（昭和40）年　油絵中心の仕事に移行
1967（昭和42）年　国際形象展　出品
1972（昭和47）年　潮音会展　出品
1985（昭和60）年　第9回長谷川仁記念賞　受賞
1986（昭和61）年　死去