寺島紫明てらしま しめい

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    寺島 紫明(てらしま しめい、1892-1975年)は、明治から昭和時代に活躍した日本画家である。1892年11月18日に兵庫県明石市に木綿問屋、柿屋を営む父徳松と母としの長男として生まれる。作風は品がよく爽やかな東京女性の理想像に深く共鳴しながらも、それとはまったく違った独自の美人画を確立した。

    幼少期は見習い奉公をしていたが、文学に親しむ。両親の反対を押し切って画家を目指す。1899年に明石尋常高等小学校に入学。この頃からスケッチを好み、源氏物語など日本文学に親しむ。卒業後は文学への傾斜をさらに深め、寺島玉簾の筆名を使用し「少年倶楽部」や「兄弟姉妹」などの雑誌に応募し入賞を果たした。また、若山牧水に入門し、短歌をたしなんだこともあった。
    1909年に大坂の木綿問屋丹波屋、三浦家に見習奉公に入るが、同年に父を失い翌年上京する。しかし1912年に母とも死別。文学を離れ画家を志す。翌年、長野草風の紹介により鏑木清方に師事した。1914年には巽画会に「柚子湯」「菖蒲湯」を出品し三等賞となる。その後1927年の第8回帝展に「夕なぎ」を出品。初入選を果たす。以後官展への出品を毎年続けた。
    また、官展以外にも巽画会、青衿会、日月社、創造美術、兵庫県選抜展、九皐会、清流会、尚美会、綵尚会、明美会などで活躍をみせる。新文展においても実力を見せ、1941年第4回新文展に出品した「寸涼」、1942年第5回新文展に出品した「秋単色」が連続して特選を受賞した。
    第二次世界大戦後は主に日展を中心に活躍する。1961年の第4回新日展に出品した「舞妓」が文部大臣賞を受賞する。また、1969年に第1回改組日展に出品した「舞妓」が翌年日本芸術院恩賜賞を受賞する。
    1975年1月13日に脳出血のため西宮市の自宅で死去した。

    年表
    1892年 兵庫県明石市に生まれる
    1899年 明石尋常高等小学校に入学
    1909年 大坂の木綿問屋丹波屋三浦家に見習奉公に入る
    1910年 上京
    1912年 画家を本格的に志す
    1913年 鏑木清方に師事
    1914年 巽画会に「柚子湯」「菖蒲湯」を出品 三等賞受賞
    1927年 第8回帝展に「夕なぎ」を出品 初入選
    1941年 第4回新文展に「寸涼」を出品 特選受賞
    1942年 第5回新文展に「秋単色」を出品 特選受賞
    1961年 第4回新日展に「舞妓」を出品 文部大臣賞受賞
    1970年 日本芸術院恩賜賞受賞
    1975年 死去

    寺島紫明の代表的な作品

    • 「夕月」
    • 「夕映(姉弟)」
    • 「旅芸人」
    • 「爪」
    • 「彼岸」
    • 「長い髪の婦人」
    • 「舞妓」

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