松尾芭蕉まつお ばしょう

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    松尾 芭蕉(まつお ばしょう、1644年(寛永21年)- 1694年(元禄7年)10月12日)は、江戸時代前期に活躍した日本史上最高の俳諧師である。

    出身は伊賀国(現在の三重県伊賀市)。本名を松尾宗房(まつお むねふさ)という。
    幼名は金作であり、通称は甚七郎、甚四郎、藤七郎、忠右衛門、忠左右衛門である。
    本名と合わせた形としては、松尾忠左右衛門宗房である。

    芭蕉は発句(俳句)よりも俳諧(連句)を好み、俳諧(連句)の芸術的完成者とも言われた。
    非常に芸術性の高い「蕉風」と呼ばれる句風を確立しており、後世では「俳聖」として世界的にも有名。
    俳号は初めに実名宗房として、後に桃青、芭蕉(はせを)と改めた。
    門下は北村季吟門下である。

    特に有名な作品は「おくのほそ道」であり、これは1689年5月16日(元禄2年3月27日)に芭蕉が弟子の河合曾良と共に江戸を立ち、東北、北陸(下野・陸奥・出羽・越後・加賀・越前など)を巡り、岐阜の大垣まで旅をした紀行文である。
    また、芭蕉らにとって未知の国々を巡ったこの旅は、西行や能因などの歌枕、名所旧跡を辿る目的を持っており多くの名句が詠まれたとされる。
    有名な句は、「夏草や兵どもが夢の跡 (なつくさや つわものどもが ゆめのあと)」(岩手県平泉町)や、「閑さや岩にしみ入る蝉の声 (しずかさや いわにしみいる せみのこえ)」(山形県立石寺)、「五月雨をあつめて早し最上川 (さみだれを あつめてはやし もがみがわ)」(山形県大石田町)、「荒海や佐渡によこたふ天河 (あらうみや さどによこたう あまのがわ)」(新潟県出雲崎町)などがある。また、芭蕉はこの旅で各地に多くの門人を獲得した。特に金沢にて門人となった者達は、後に加賀蕉門発展の基礎ともなった。また、歌枕の地に実際に行き、変わらない本質と流れ行く変化の両面を実感する事により、「不易流行」に繋がる思考の基礎を我が物とした。

    芭蕉は1694年(元禄7年)9月、門人の之道と珍碩が不仲であったため、その中を取り持つために大阪へ赴いた。
    その際に心労が健康に障ったとも言われ、体調を崩した芭蕉は之道の家に移ったものの、10日の夜に発熱と
    頭痛を訴えた。20日には回復も見られたが、29日夜に下痢が酷くなり容態は悪化の一途を辿る。
    その後、御堂筋の花屋仁左衛門の貸座敷に移り、門人達の看病を受けた際に「病中吟」と称して
    「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」を詠んだ。
    そして芭蕉は10月12日申の刻(午前4時頃)、息を引き取った。
    14日には遺言に従い木曾義仲の墓の隣に葬られた。

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