千野茂ちの しげる

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    千野茂(ちのしげる、1913年-2002年)は、彫刻家。新潟県出身。

    高等科卒業後、仏壇の装飾彫刻の修練を経て、1933年石川光明の弟子であった島田美晴に師事。1936年新槐樹社展、新協美術展に入選するがも、翌年の院展に落選。この時期、新海竹太郎の「ゆあみ」に心惹かれ、塑像への思いを巡らせ、1939年上京した。棟方志功、辻晋堂に認められ、新海竹蔵に師事、しかし院展への落選は続く。

    第29回院展に「ミチの首」で初入選、これは妹をモデルにしたものである。その後、順調に入選を重ね、1949年「裸婦」で日本美術院賞、翌年大観賞、51年奨励賞、52年白寿賞、54年大観賞と連続受賞、55年同人となる。同年、東京藝術大学で生徒に教える。1961年院展彫刻部の解散をきっかけに師の新海竹蔵や山本豊市、関谷充、桜井祐一と彫刻家集団(S・A・S)を結成。1964国画会と合流し同会彫刻部として発足することとなり、これに会員として参加。現代日本美術展、日本国際美術展などにも出品。マイヨールや藤原期の彫刻を心から尊敬し、裸婦を美しく表現した平明清楚な作風を示した。1980年には上越市に小林古径記念塔を制作。第56回国画会展出品「皐月」で第13回中原悌二郎賞を受賞。1986年東京藝術大学名誉教授となる。2002年死去。享年89歳。

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