野々村一男ののむら かずお

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    野々村一男(ののむら かずお、1906-2008年)は、昭和から平成時代に活躍した日本の彫刻家である。
    1906年11月15日に愛知県名古屋市西区江中町に生まれる。生家は建築業を営んでおり、家業を継ぐよう期待されたが、反対を押して上京する。上京後は東京美術学校彫刻科塑造部に入学。在学中である1929年に第10回帝展に「座女」にて初入選する。1936年に同校を卒業。
    卒業後は「彫刻芸術の既成概念を廃して価値要素を学究的に考察する」ことを目指し、早川巍一郎、加藤顕清、大須賀力らとともに日本彫刻家協会を結成する。また、1937年に応召して中国大陸に渡り、38年に除隊。その後新文展に「渡河戦」を出品して特選となる。1952年では第8回日展に「人間告訴」を出品し特選・朝倉賞受賞。また、1955年に中日文化賞受賞する。
    その後も日展を中心に作品を出品し活躍をし、1961年に日展評議員となる。1980年第12回改組日展にブロンズによる男性裸体立像「物との、はざま」を出品。翌年に同作品で日本芸術院賞を受賞し、1981年日展理事、82年日展参事、1988年には日本芸術院会員となる。1989年には勲三等瑞宝章受章。
    また2002年に日本橋三越で「野々村一男彫刻展」を開催。日展でも出品を続けながらも、彫塑におけるアカデミックな表現を模索し続けた。一方で1966年の開学以来、愛知県立芸術大学で教鞭を取り、後進の指導にも当たっていた。
    2008年2月11日に老衰のため名古屋市の自宅で死去。享年101。
    従来、重力に逆らうことなく立つ、あるいは座るポーズを基本とする男性、女性の裸体像によって抽象的概念を表現していたが、浮遊する人体をとらえた、日常性から離れた状況の人体像によって生命や自然観などをあらわす作品へと移行した。裸体全身像をモティーフとする塑像を得意とした。愛知県立芸術大学名誉教授。
    年表
    1906年 愛知県に生まれる
    1929年 第10回帝展に初入選
    1936年 東京美術学校彫刻科塑造部を卒業
        日本彫刻家協会を結成
    1938年 新文展で特選となる
    1952年 第8回日展で特選・朝倉賞受賞
    1955年 中日文化賞受賞
    1961年 日展評議員
    1966年 愛知県立芸術大学教授
    1981年 日展で日本芸術院賞受賞
        日展理事
    1982年 日展参事
    1988年 日本芸術院会員
    1989年 勲三等瑞宝章受章
    2002年 日本橋三越で「野々村一男彫刻展」を開催
    2008年 死去

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